田中vs小堀

経験豊富な田中は2回戦で第4シードのGATTO(ITA)。フルセットの末に破り好調です。一方の小堀は昨年のWTAランキングは1,254位でしたが、今年は414位と躍進している19才の若手です。
1、2回戦共に、持ち前の粘りでフルセットを勝ち抜いての準決勝です。両者とも強打で圧倒するのではなく、相手の攻撃に対し我慢強く、確実なコントロールで返球。相手の攻撃が浅くなった時に反撃してポイントを取る同じタイプの選手です。田中は小堀のカウンターショットを警戒し、緩急をつけたボールで走らせ、得点を稼ぎ6-1、6-3と完勝し準決勝に進出した。経験の差が出た一戦でした。

大前vs今西

同学年、同所属(島津製作所)の対決。WTAランキングは大前304位、今西265位で第2シードです。JTAランキング(国内ランキング)は大前が今年2月の全日本室内選手権の準優勝しており7位、今西は15位とWTAとJTAランキングは逆になっています。お互いの手の内は十分に知っており、重要なポイントの時に取れるかどうかが勝敗の分かれ目でした。
第1セットは各ゲームポイントの取り合いで、どちらがゲームを取るのか最後のポイントまで判らない試合でした。
大前が4-2とリードするも、今西が追い付き4-4。その後両選手はキープできずに6-5と大前がリードする。今西が15-40と6オールのブレークポイントを握るがブレークできず、最後は大前のフォアハンド強打で、今西のフォアハンドを狙い7-5で取る。
第2セットに入り今西は軽快なフットワークと安定したグランドストロークで、大前の強打を封じて6-2で取り1-1の対する。今西はファイナルセットに入っても大前の強打のコースを読み取り、確実なショットで大前を左右に走らせてポイントを重ね6-1で取り勝利した。今西はミスの少ない安定したショットと粘り強さがあり、大前は力強いスピードのボールでエースも取るが、今西より早くミスをしたのが勝負の分かれ目でした。
強打の持ち主は、打ち勝ちたい気持ちに往々となり、ミスをして負けることがあります。
大前は緩急を付けた配球をすれば勝つチャンスがは十分にあったと思います。

瀬間vsZHANG(HGK)

瀬間は第1セットはZHANGとの打ち合いに勝ち6-2で取る。
第2セットはZHANGのミスが減り6-4で取る。ファイナルセットは瀬間が3-0とリードする。4ゲーム目のサービスで15-40から40-40としたが、ここで続けてダブルフォルトし3-1となる。5ゲーム目ブレークポイントを1本取るがフォアハンドストロ-クでストレートに打ったボールがアウトし、取ることができずに結局キープされて3-2.
流れは完全に瀬間にあったが、この2ゲームをを取ることができれば勝った一戦だったでしょう。その後は3-4と4ゲームを連取されリードされるが、瀬間は何とかキープし4-4。お互いキープし5-5となる。ZHANGがキープして6-5とリード、瀬間も必死にボールを追うが返球できずに7-5で敗退した。
瀬間はもったいない試合であった。
以前よりミスは少なくなっているが、フォアハンドはトップスピンで打つことが多いが、右サイドに走らされた時にボールが浅くなることと、チャンスボールの時にスピンがかかり過ぎてスピードが無くなり、相手に拾われ反撃を許してしまうのはもったいない。今後、上位進出や優勝するためには、たまにはフラット系のショットを打つことと、特にセカンドサービスの改善が必要です。

 

 

関東テニス協会 常務理事 森 清吉