本戦 第2日目

清水綾乃(CLIB MASA)はZHAO(CAN)と対戦。
清水は昨年ランキング730位で予選を勝ち上がり、本戦では1回戦で敗退した。今年はランキングも254位とジャンプアップし、第1シードで出場した。
大会の第1シードになると優勝して当然と思われ、本人がどの様な気持ちで試合に臨んだのでしょうか?
初回戦を勝てば調子を徐々に上げて目標を達成できるのですが、かなりのプレッシャーを感じて試合に臨んだと思います。この気持ちは第1シードになった人だけしか理解できないでしょう。今年の戦績を見ると、海外にも積極的に遠征していますし、国内の国際大会では久留米の50,000ドルの大会でベスト4、軽井沢の25,000ドル大会では優勝と好成績を残しております。
どの様な内容になるのか興味がありました。残念ながら期待に反してしまう結果でした。清水選手は最初のサービスゲームをキープすることが出来なかったのが最後まで響いてしまいました。セカンドサービスを強烈なリターンで先制攻撃されミスを重ねたのと、グランドストロークでの打ち合いでは勝ち味の強打で対抗しました。良いショットもありましたが、相手より早くミスをしたのが目立ちました。清水選手はこれから上位に行くためには、サービスの強化が必要です。

瀬間詠里花(橋本総業HD)vs荒川晴菜(フリ-)
第8シードの瀬間選手は11才年下の若手の荒川選手との対戦。今まで何回と出場し優勝候補にもなっていた実力者です。好調・不調の差が激しく、大事なゲームを失い敗れていましたが、精神面が安定しているのが見え、プレーに対しても無理をせず攻守のバランスが良く、荒川選手のストローク戦にも旨みな配球で2回戦に進出した。荒川選手はサービスに弱点があるので、先に攻撃するチャンスが少なく、勝ち味が遅くなるのでサーブの強化が特に必要です。

藤原理華(北日本物産)vs上田らむ(ノア・インドアステージ)
藤原選手は出場選手中、最年長(35才)で予選を勝ち上がり、若手の上田選手(20才)との対戦。上田選手は得意のグランドストローク戦に持ち込む前に、藤原選手のベテランの味である変幻無地なプレーに翻弄されて負けました。藤原選手はプレーのポイントの間やチェンジコートの間に腕立て伏せや足の曲伸運動をしているので、上田選手は戸惑ったのではないでしょうか?ギャラリーもビックリしたことでしょう。

奥野彩加(フリー)vs吉富愛子(橋本総業HD)
奥野選手は吉冨選手のフォアハンドの強打を封じるために、要所でバックハンドストロークでスライスボールを混ぜて対応し、吉冨のミスを誘っていた。吉冨は今日は攻撃一辺倒で決定打もあったが、もっと緩急をすれば勝つチャンスは十分あった一戦でした。

ダブルスでは筑波大学の森崎・米原組が井上(雅)・美濃越組のプロと6-1、6-0の完勝で2回戦に進んだ。森崎・米原組は今年の全日本学生選手権の優勝組で、後衛で打つ森崎と前衛でボレー、ポーチで活躍する米原のコンビネーションが良かったのか、勝利の一因でしょう。シングルスで満足出来なかった森崎がダブルスで鬱憤を晴らした一戦でした。

明日は本戦 第3日目。
2回戦に進んだ日本選手は半分の8人です。

瀬間vsHSU
昨年の準々決勝で対戦。7-5 6-4 の接戦でHSUが勝っています。
瀬間はメンタル面でも安定した戦いをしているので、是が非でも雪辱したい一戦です。

美濃越vs今西
同年齢のライバルです。第2シードの今西はここで負けるわけにはいきません。
美濃越は今年は好調であり、上位進出するには是非とも勝ちたい試合です。お互い手の内は十二分に知っているので、大切なポイントが取れるかどうかが勝敗の分かれ目でしょう。

大前vs奥野
奥野はランキングを上げるために、大前の強打に対してどの様に対策を立てて戦うのか?

GATTOvs田中
田中は第4シードのGATTOは粘り勝つことができるのか?

関東テニス協会 常務理事 森 清吉